あえて「分からないフリ」が子どものことばや発達を伸ばす!!

こんにちは。


赤ちゃん〜高校生とお母さんのためのサロン

ママと子どもが輝くお手伝い・イロドリ

言語聴覚士・保育士・ユーファイセラピスト

三上愛です。


今日は

ことばの遅れや発達がゆっくりなお子さんへのことばを伸ばす関わり方について

お話をしていきます。



・理解はある程度できるているのに話すのが遅い

・ことば以外のコミュニケーションは取れるけど全体的に発達がゆっくり・ことばが遅い

そんなお子さんに向いている関わり方になります。



関わり方の結論から言うと

先まわりはしない。
あえて分からないふりをする!!

ということがとっても大切で


それをすることでこどもはぐーんと伸びることが多いです。



それはなぜかというと

日頃から

先まわりされることに慣れていると

行動、考え方が受け身なりやすいく

認知やことばが育ちにくいから。


ことばを話すだけでなく

生活する上で大切になる認知の発達。


認知の発達は

自分から動いて、何かをする中で

うまくいかないことがあり

試行錯誤して工夫して

経験値を増やす中で育っていきます。


これは早期教育や知育など

特別なことで育つというよりも

何気ない日常生活で育っていきます。


しかし日常生活で

この子はことばや発達がゆっくりだから困らないようにと

大人がなんでも先まわりしてしまうと

試行錯誤すること、工夫することの経験が奪われてしまうことになります。

そうすると認知が育ちにくいので

発達が伸びにくいというスパイラルに入ってしまいます。


そして試行錯誤する中で

自分でできないことがあると

必ず子どもは大人に助けを求めます。

目線を向けたり

声を出したり。


その時に、

何?どうしたの?などと聞いてから

手伝って、なの?などことばのモデルを示しながら

コミュニケーションをすれば良いかのお手本を見せてあげ


その後に初めてできないことを手伝ってあげるということが大切です。


このような関わりをすることで

認知の発達が促されていきます。



また、認知が発達するとことばが刺激されていき

ことばも育ちやすくなりますが。



ことばが育つにも

コミュニケーションをとる中で

伝わらないから自分で考えて伝え方を変えて

試行錯誤、工夫して伝わったという経験がとても大切です。



これは、赤ちゃんから始まっていることで

泣きの強さを変えてみたり

声のトーンを変えてみたり

そのようなことでコミュニケーションを取りながら

どうやったら伝わるかを試行錯誤しています。


なので

会話でも先まわりして意図を汲み取ってしまうと

ことばも育ちにくいというとになります。


だからなんでも先まわりせずに

あえて分からないふりをして

「え?なに?」というスタンスで一度聞き変えてしてあげることが

とっても大切になるのですね。


そしてその後にコミュニケーション(ことばのモデル)を示して

そのあとで手伝ってあげるということがポイントになります。



でも、ことばや発達が遅れているのに

聞き返しても返事してくれないじゃん?!って思うかもしれません。


返事は返ってこなくても良いのです。

このタイミングであなた(子ども)が発する番なんだよと言うことを

聞き返すことで教えていることになり

子どもはそこで少しだけ考えます。

この考えることが大切。


だからそこで頑なに子どもにことばで返事をしてもらうのを待つのではなくて

ほんの少しだけ間をあけて

子どもになんて言うか考えてもらった後に


「〇〇なんだね」「〇〇だね」「ちょうだいだね」など

その時に子どもがなんて言えばいいのかを

大人がモデルを見せて(聞かせて)あげるながら

やりたいことを手伝ってあげるということが大事になります。





ここまでの説明で長くなったのですが

もう少し続けますね。







ここからは

よくある傾向をご紹介しながら説明していきます。



①ことばがまだ出ていないけれど、目線や指差しで伝えるのが上手なお子さんの場合

何か欲しいものがあったり

手伝って欲しいことがあると

「あ!」と言って指をさしたり

目線を向けることが上手なお子さん。


毎日一緒にいると

「あ!」と言いかけた瞬間に

目線を向けようとした瞬間に

子どもが何を要求しているのかわかってしまうことが多いと思います。


わかってしまうのでそれを先まわりしてやってしまうこともあるかと思います。


このような状態が続くと

「あ!」と言う指さしと声で

目線で伝わることを学習する

むしろ

それをしようとした瞬間に大人が行動してくれることを日々学習します。


なので、言葉を使わなくても良い状態が続き

言葉がなかなか出てこないと言う場合があります。


こういったお子さんには

先ほど言った

『わからないふりをして「え?なに?」と聞き返す』技を使っていきましょう。


最初は、今まで意図を汲み取ってくれてたのに「なんで伝わらないんだよ!!」という感じでお子さんが怒るかもしれませんが

それも数日すればおさまり


ことばで伝えようという気持ちがお子さんの中で起こり始めると思います。



②ことばは出てきたけど、なかなか増えない・ことばがつながって長く話せないお子さんの場合

ことばが出てきて

ものの名前などはたくさん話すようになった


または


ことばが少しずつつながってきたけど

なんだかバリエーションが増えず長く話せないというお子さん。



このようなお子さんは

例えばお茶が欲しい時に

「お茶!」などでお茶を取ってもらえたり

「あれ!」などのことばで欲しい物がもらえたりすることを経験している子が多いです。


また

年齢が少し大きくなったお子さんで

自分の状態を言葉にできるようになってきた時に


「のどかわいた」と言われたら

ついつい飲み物を出してしまっていることってありませんか?



このような大人の先まわりの行動も

せっかくのお子さんのことばが増えるチャンスを逃していることになります。



言葉を話すにも

身近でよく使うことが言える

名詞の言えることばが増える

動詞の言えることばが増える

形容詞や関連語の言えることばが増える

空間に関することばが言える

という発達の法則があります。


物名前が言えるのに

その後のことばが増えないお子さんは

動詞の部分をいうこと必要性がなく

ことばが増えない、繋がらないということも見られます。


今回の例を見てみると

「お茶!」だけで大人が先まわりして行動してしまうと

本来言うはずの「ちょうだい」や「とって」などの

動詞の部分を言う機会を奪ってしまうことになるのですね。


なのでそのような時は

「お茶が何?」などとまた分からないふりをして聞き返して

その後に「お茶ちょうだい、だね。はい、どうぞ!」とモデルしめしながらお茶を渡してあげるとことばを促すことができます。



また、「のどがかわいた」などで渡してしまうと

自分がどうしたのかの気持ちなどを発する機会を奪ってしまうことにもなります。


小さい時の日常でのちょっとした自分のしたいことを伝えることが

大きくなった時の

自分がどうしたいか、どう思ったのか、などの気持ちを言語化する練習になり


小さいうちからどんなに小さいことでも

「どうしたい」の部分を引き出してあげることがとても重要になります。


なので「のどかわた」と言われたら

それで大人が先まわりして飲み物を出すのではなく


「そうなんだね。」と一度受け止めてあげて

それでもその先のことばが出てこなければ

「喉渇いたからどうしたいの?^_^」などと聞いてことばを促してあげる関わりをしてあげると良いです。


自分の気持ちは大きくなったから言えるのではなく

小さい時からの小さい出来事でのこうしたいを言うことの積み重ねでできるようになりますよ!




そして最後に

直接ことばとは関係ありませんが

よく大人がしがちな先まわりも見ています。




③何か物が欲しい時、物が落ちた時など、先に大人が渡したり拾ってしまう

これは私も気をつけないとよくやってしまうことです。


何かを一緒にしていて

子どもが使っていた物が落ちたり、子どもがちょっと手を伸ばせば届きそうだけど取って欲しそうにしている時。


ついつい何も言われてないのに先に大人が行動してしまうことありませんか?


これらが日常的になっていると

子どもから「〇〇取って」などと発される前に行動してしまうので

やってもらって当たり前となり

あまり動きたがらない子になります。



また、子どもの体のボディーイメージは

遊びや運動だけでなく


日常のこのような

床や机の下に落ちたものを拾ったり

欲しいものがギリギリ届くか届かないかのところにあって

それを取ろうと手を伸ばしたりすることでも作られていきます。


私たちも

机の下の物を拾う時とか

意外としんどかったりしませんか?

机にゴンって頭ぶつけたりしますよね。


そうやってぶつけたり

ギリギリのところでぶつけなかったりすることで

ボディーイメージというのは作られていきます。


このボディーイメージがしっかりできているお子さんは

運動が上手になりやすいです。


子どもが取るの大変そうだから良かれと思ってやってあげていたことが

実は子どものボディーイメージを作る機会を奪っていたとは。。

知ったら驚愕ですよね。


子ども自身に取ってもらって

自分は楽をしましょう。笑



ということで

具体的な例を交えながら

『あえて「分からないふり」が子どものことばや発達を伸ばす』ということを

解説してきました!



これらのことは

親子クラスの赤ちゃんクラス&離乳食クラス、あんよクラス

イロドリ流♪発達相談言語レッスンなどで

実際に私のデモンストレーションを交えながらより詳しく

お子さん一人一人に合わせた関わり方をお伝えしています。


やってみたけどうまくいかなかった場合

今回お話ししたことの他に何か要因も隠れていることがありますし


やってみたけど合ってるか分からないという方は

一度答え合わせをすると自信を持って

お子さんと関わっていけるようになります。



メニューもたくさんあってどれに行ったらいいか分からない

こんなことで相談に行っていいのかな?

今回のブログの内容を見てもっと聞いてみたいことがある

という方は

お気軽にお問い合わせくださいね♪



それでは!




三上 愛

イロドリ代表、言語聴覚士、保育士
1986年生まれ、1児の母。

*経歴*
北海道医療大学卒
2009年北海道大学病院高次口腔医療センター・リハビリテーション部に就職
2018年イロドリサロン開業。

生後すぐの赤ちゃんから高校生までを診ることができる言語聴覚士
姿勢運動発達、口腔機能、非言語的コミュニケーションを生後すぐから育むことによって、言語聴覚士が関わる領域の困りごとの予防を行っています。
すでに困りごとがある幼児〜高校生までのお子さんへ、発達相談や言語レッスン(言語訓練)などで対応。単発相談から

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